哺乳類に関わらず、動物は性行為を行うことで子孫を産んで生き続けます。
それは人間も例外ではありません。
人生で一度も性行為を行わない方もいるかもしれませんが、ほとんどの方が一生に一度は性行為を行い、子孫を残すこともあるでしょう。
しかし性行為を行うことは、全くのノーリスクというわけではありません。
大きなリスクとして、性病に感染する可能性があります。
性病になれば身体にも多大な影響を及ぼすので、特徴について理解しておくべきです。
性病にはどんな種類がある?
性病は現在でも様々な種類のものが流行していて、感染者も増えています。
まず長期間潜伏する性病として有名なのが、エイズです。
エイズは、HIVというヒト免疫ウイルスによって発病するものです。
潜伏期間が数年~数十年ほどと長いため、目立った症状が出てからでは手遅れな場合もある危険な性病と言われています。
エイズの感染経路が血液と思っている方が多いですが、体液でも感染するケースは少なくありません。
膣や精液、母乳などにHIVが多く含まれており、そこから感染したデータもあります。
また、主に性的行為(性行為やキスなど)でのみ感染する性病も多いです。
そのような性病で代表的なものは、ヘルペスというものが挙げられます。
ヘルペスには、口唇ヘルペスと性器ヘルペスの2種類があります。
口唇ヘルペスは主にキスや特殊な性行為によって発症し、口元に症状が現れます。
一方で性器ヘルペスは、性器そのものや周辺にヘルペス特有の症状が出るのです。
どちらも完治の方法が不明瞭で、再発に悩まされている方も少なくありません。
そして、日本国内で最も感染率が高い性病とされているのがクラミジアです。
感染率が高く感染者が多い一方、症状が現れないこともある恐ろしい病気とされています。
クラミジアの原因のほとんどは性行為で、性器そのものや性器の周辺に症状が現れ、体の不調も見られます。
おりものが増加したり、そこから特有の臭いが発生することがあります。
クラミジアに次いで感染者が多いのが、淋病です。
クラミジアとほとんど同じ症状が多く現れますが、潜伏期間がクラミジアよりも短く早期発見しやすい性病といわれています。
しかし早期発見できなければクラミジアよりも重篤な症状になっているケースも多々あるため、より危険性のある病気だと言えます。
また昔に流行って一時期は感染者が減ったものの、最近になって感染が広まっている性病があります。
それは、梅毒と呼ばれる病気です。
実は感染者が減ったのは医療の進化によるもので、治療法が確立されるまで、梅毒は不治の病として恐れられていました。
感染者は隔離されていたというほど、感染力が高い病気です。
性病と勘違いされることが多い病気で、カンジダというものがあります。
性器やその周辺に症状が現れる病気です。
しかしこれは性行為だからといった理由で感染するわけではないので、性感染症ではありません。
それぞれの性病の症状の特徴とは?
エイズの特徴は、他の性病とは違った長期に渡る潜伏期間が挙げられます。
通常は1年と経たずに症状が現れ、末期症状になるまでに数十年と要するものです。
ですがエイズは、潜伏期間が最大数十年もあるため、早期にHIVに感染していると気づくことが難しいとされています。
潜伏期間こそ長いですが、実は初期症状が発生し始めるまで長くても2か月以内です。
そのときは発熱、もしくは高熱といった症状が現れるので、この段階で病院を受診すれば早期段階で治療することも可能になります。
不治の病とされていたころもありましたが、現在は医療も発達しているため、死をコントロールできるようになりました。
しかし、症状が悪化すれば完治できるケースがほとんどない病気なのは変わりません。
ヘルペスは、口唇ヘルペスと性器ヘルペスで症状が違う特殊な病気です。
口唇ヘルペスでは主に発熱の症状も見られますが、その他にも口周りが痛いと感じたり、口の臭いや赤い腫れ、水膨れなどの症状も現れます。
性器ヘルペスは、口唇ヘルペスが口周りに症状が現れたのに対し、性器周りに症状が出ます。
発熱といった症状はあまりありません。
こちらは性器が痒い、痛いと感じることもあります。
さらに、性器や太ももなどに腫れや水膨れといった症状が現れます。
また、口唇ヘルペスとは違い何度も何度も再発する厄介な病気です。
そのため、口唇ヘルペスとは違い緩和する形で治療していくことになります。
クラミジアと淋病は発症する箇所がほとんど同じで、どちらも感染率が高い性病です。
尿道炎の症状が多く見られ、排尿時に痛みを感じたり、性器から白っぽい膿のような分泌物が出ます。
クラミジアと淋病で違うところは、その危険性などです。
淋病は発症すると確実に症状が現れるため、早期に治療すれば完治するケースもあります。
ですがクラミジアはウイルスに感染したとしても、症状が一切現れない可能性もあるため、いつの間にか重篤な症状になっている可能性も少なくありません。
梅毒は性器に異常が発生するため、発見されやすい性病の一つです。
初期症状として、性器の周辺に固いしこりができます。
初期硬結と呼ばれるもので、最終的に盛り上がって腫れたようになります。
この段階でほとんどの方が病院を受診するため、これ以上の症状になる方は少ないです。
感染経路の違いをまとめました
性病ごとに、その感染経路には違いもあります。
まずエイズの感染経路は血液や精液、膣内の分泌物や母乳などがあり、どこから感染してもおかしくありません。
親から遺伝するケースも多く、性感染症という見方をしない方もいます。
ヘルペスの場合、性器、口唇ともに同じ感染経路です。
最近ではイマラチオなど特殊な性的接触も増えているため、相互的に感染するリスクもあります。
しかし感染経路が特殊で、性的接触を行っていなくても感染するケースが確認されています。
例えば口唇ヘルペスの感染者が、家族が共有しているタオルで口を拭いた場合です。
感染部からはヘルペスウイルスが分泌されているため、タオルにウイルスが付着する可能性もあります。
性行為でなくても、感染する可能性が高い性病です。
クラミジアと淋病は、性行為と呼ばれる行為全てにおいて感染のリスクがあります。
性器だけでなく肛門、喉などにも感染します。
そのため、オーラルセックスやディープキスなどによる感染も多々見られます。
梅毒の場合、梅毒トレポネーマという菌が性器の傷口から感染することで発症します。
性行為による感染が非常に多いですが、一方で日常的な部分でも感染する機会が多いです。
実は梅毒トレポネーマという菌は体外にも分泌される菌で、感染者が触れた後のタオルなどに付着しているケースがあります。
また母子感染が多い性病で、先天性梅毒という病気になる赤ちゃんも少なくありません。
それぞれ感染経路に微妙な違いはありますが、大きな共通点としては「性行為によって感染する」という点が挙げられるでしょう。
性行為は人類の繁栄のために必要なことですが、一方でこれだけの性病に共通する感染源にもなります。
性行為が原因というのも、実際に行う場合はお互いの性器が触れ合うことに問題があります。
この性器からウイルスが伝染するため感染し、発症のリスクを伴うのです。
そのため、感染経路をふさぐ方法としてコンドームを使用するのが良いとされています。
性病によっては完璧な予防方法とも言えませんが、ほとんどの場合感染を予防できるものです。
どの感染経路から感染しても、同じ症状が出ます。
それは、「痒い、臭い、痛い」といった症状です。
感染部によってこのような症状が出れば性病の危険があるため、病院を受診するようにしましょう。